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上を目指す人必見。
世界のパティスリーを紹介するヨーロッパ製菓業界の専門誌製菓専門雑誌

so good.. 最新号のご案内

so good #34

  • 製菓専門雑誌 so good #34
  • 創刊
    2008年
    発行元
    食専門出版社グルッポ・ヴィルボ(スペイン)
    発行形態
    年2回
    体裁
    28.5×23.5×3.4cm 322ページ (英語)
    定価
    7480円(税込)
    ※数量限定 カリョー特別価格

    ※So goodマガジンは、 カリョー店頭での取り扱いのほか、カートからのご購入も可能です。
    定期購読も受け付けております。

So good#34 概要

〜プロのプライド〜

 中国、ベルギー、アメリカ、ハンガリー、日本、スペイン、アルゼンチン、チリ、フランス、どの国の人も同時に熱くなるときがある。たとえばサッカー観戦はそのひとつだろう。世界中を魅了する、そうした数少ないもののひとつがパティスリーだ。文化、言語、信仰、個人の趣味を超え、世界中のパティシエは砂糖、バター、粉、チョコレートといった共通言語で話をする。彼らは皆、大胆にあるいは繊細に手を動かす。ナイフ、泡立て器、麺棒を正確に操り、フリーザーやオーブンのドアを日に何度も開け閉めする。
 何より重要なのは、すべてのパティシエは、いや少なくともso good..で出会ってきたプロたちは、揺るぎないプロのプライドを持ち合わせている。自分は幸運だという思い、天職を選んだという名状しがたい満足感に溢れている。
 パティシエは料理人に気後れすることも、劣等感を持つこともない。たとえ後者のほうがメディアの注目度が高いとしても。両者とも、デザートの世界では一握りの人たちにしかもたらされない技術的、芸術的スキルがあり、パティシエの技術はパティシエにしか備わっていないと知っている。この仕事には技術力、クリエイティビティ、芸術性など、目に見えない何かが織りなす奇妙で複雑なバランスが要求されるのだ。スケールとタイマーという絶対的なルールと、チョコレートやキャラメルを純粋な芸術に変えるために必要なイマジネーションの間にある不確定な地点で、パティシエは誇りを持ち、興奮するほど情熱的に生きている。
 もしパティシエが2人いたら、どんな話題で盛り上がるか、誰も一瞬たりとも疑わないだろう。

(so good..編集部)


 So good..34号が無事、刊行されました。2年前に姉妹誌であるアイスクリームの専門誌so cool..も創刊され、編集部はこれまで以上に精力的に活動しています。
 今回、日本で取材したのは籏雅典さんです。今年1月にクープ・デュ・モンドで優勝した日本チームの一員です。籏さんからso good..にアプローチがあったのは2022年。4度目の日本代表選考に挑戦しているときでした。工房を訪ねたときの「絶対に次は出ますから!」という決意のまなざしが忘れられません。
 有言実行で世界の頂点になった籏さんは何倍もパワーアップしていた! 見たことのない道具を用意して、私たち取材陣を待っていました。クープの会場も沸かせた蒸留器、オリジナルの道具を使ったオリジナルテクニック、出身地である岐阜県で盛んなシルクスクリーン、そして拠点とするコンフィチュールHのある三重県でとれた甘夏や畑のハーブ。テックで表現する郷土愛。時代の変化を感じました。
 インターネットがもたらしたグローバリゼーションから、時代は地元に目を向けるローカリゼーションへと変化し、これらの現象がもたらした情報や知見がお菓子にも表れている――34号はそんなことを思わせる内容です。国や情報の垣根を越えて、自由を得たパティシエの創造力は果てしなく広がる、という印象です。
 既成の道具を使わない籏さんの技術、木の葉で香りづけしたケーキ、フランスとインドが融合するデザート、デトックススムージーにインスパイアされたシソケーキ、似ているようで異なる韓国人パティシエの技、そして達人6人によるいまどきのヴィエノワズリーの数々。今号もずっしり重い300ページ超をお楽しみください。 

(so good..日本担当記者 松野玲子)

So good#34 目次

P48  籏 雅典
クープ・デュ・モンド2025大会で優勝した日本チームのひとり籏は、出身地である岐阜の伝統技術と現在の職場である三重の甘夏などを、まったく新しいテクニックを取り入れ、新作を披露。

P64 フランシスコ・モレイラ
チョコレートアカデミー・ベルギーでトップを務めるモレイラは、花で酵母を起こすパン職人に触発され、キク科の花、クルミの木の葉、イネ科の植物ハルガヤを使ったアントルメなど、自身の「ハーバルコレクション」から3種を紹介。

P80 ボミ・キ
フランスのコルドンブルーで学び、ロンドンでレストランSolipを経営する彼女は韓国出身。えごまの葉、トラジ(キキョウの根)、松の実など、母国の味をフランスの技術、イギリスの乳製品などと組み合わせている。

P94 ティトゥアン・クローデ
「モダンでジオメトリックなスタイルが好き」というシェフ。監修するジュネーブの高級ホテルのレストラン「ザ・ウッドワード」、「ラトリエ・ロブション」、他2店舗のデザート、クロワッサン、クッキーのレシピを紹介。

P110 アルベルト・ダヴィ
アセテートシートをレーザーカッターで切り取り、緻密なオリジナルステンシルを使用し、カカオポッドとシソをテーマに芸術的な作品を作ったダヴィシェフは、チョコレート・アカデミー・バルセロナやチョコヴィックの講師を務める。

P122 フランク・ヴォルコマー
ナパバレーの星付きレストラン、PRESSと姉妹店であるUnder-Studyで実験的で遊び心満載の菓子やパンを作る。「他の誰にも作れないでデザート」を目指すという彼による、独創的なデザート、ボストック、ボンボン。

P136 クナール・カッパリーア
シカゴの「Indienne」は、伝統的なインド料理をベースにモダンフレンチの要素を加えた星付きレストラン。カッパリーアシェフが手がけるデザートもチェリーチャツネとフォアグラのエクレアやプーリのタルトなど、インドらしさもありながら洗練されている。

P152 ヘスス・カマチョ
カナリア諸島のレストラン、Donaireは、パティスリーに着想を得た料理で評判だ。料理とパティスリーの境界はいまや曖昧。同店のスペシャリテはナスのチーズケーキだ。掲載レシピには日韓中の要素が散りばめられている。

P166 イゴール・メルニコフ
スタッフライターの、サンティアーゴ・コラルシェフが、モスクワのフォーシーズンズホテルをレポート。月に1500個売れるという、メルニコフシェフのHoney cakeのレシピは必見。

P180 ヤジッド・イシュムラエン
その生い立ちとパティスリーへの情熱が映画『パリ・ブレスト』(邦題)になったイシュムラエンシェフ。現在、コンサルタントとして活躍する彼の作品は洗練と愛らしさを併せ持つ。

P192 カリート・ルーレンス
ルーレンスシェフは、デザートに使われすぎるチョコレートはあえて使わず、アルゼンチン人のルーツと深く関わるコーンやクレモナと呼ばれるフィユタージュ、そして自店のFierroがあるバレンシアの米を使ったデザートを披露。

P206 ベゴーニャ・ロドリゴ
料理でも主要材料にあまりならず、製菓ではほぼ見向きもされない「酢」に注目してきたロドリゴシェフ。酢の株菌から手がけ、バレンシアにあるレストラン、La Salitaのあらゆるメニューに使っている。「ビネガー・クズモチ」に注目!


P220 ブレヒト・ヴァン・プーク ベルギーのブルージュに近い街で、パティスリーを営むヴァン・プークシェフは、甘みと酸味のバランスを念頭に菓子をつくる。今回は「ピスタチオ・フランボワーズ」とマンダリンとホワイトチョコレートの組み合わせ「スノーホワイト」を作ってくれた。

P230 [特集]クリエイティブ・ヴィエノワズリー
「生地はムースに勝ち、ナイフとオーブンは型と冷凍庫に勝つ」とso goodでは5年前から言ってきた。伝統的なクロワッサンは、時代を経てキューブや球体になり、さらにはドングリ、栗、花など、ありとあらゆる形に進化している。この特集では、国籍の違う6人のスペシャリストの作品から、ヴィエノワズリーの進化を辿る。

P232 ゾウ・シャオフー(中国)
レモン/栗/ドングリ

P248 アントニオ・バチュー(アメリカ)
ザ・クラウン(今号表紙)/ティラミス/ロシェ/クレームブリュレNYロール

P266 ブライアン・ブークレ(フランス)
ドーム・ショコラ・グリオット/クーロンヌ・グルマンド/トリュフクリーム入りフィンガー・クロック・フォレスティエ

P278 カミーラ・グラシア・エリザルデ(チリ)
トロピカル/パンプキン&チーズ/ブラックフォレスト

P290 アドリアン・ルイス(スペイン)
ポップコーン・ローフケーキ/ココナッツ・ローフケーキ/ビーントゥーバー・ローフケーキ

P304 アティラ・マインハルト(ハンガリー)
ハイブリッド折り込み生地/マドレーヌ/ベイグリ

So good#34 紹介映像

製菓業界専門誌 so good.. とは?

「so good」は2008年にスペインで創刊された製菓専門誌です。毎号、スペイン、フランス、日本をはじめ世界で活躍するパティシエ、ショコラティエのフィロソフィー、クリエイションに対する情熱などを、レシピと美しい写真とともにご紹介しています。
日本・アジア地域の取材・執筆は フードライター松野玲子氏が担当しています。

So goodマガジン オフィシャルサイト(スペイン、英語)
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So goodマガジン Facebook(日本語)

so good日本担当記者 松野玲子

so good日本担当記者 松野玲子 プロフィール

アメリカ留学後、日本でファッション業界紙の翻訳に携わり、その後フードライターに転身。食の専門誌を中心に、パティスリー、ブーランジェリー、レストランの取材・執筆を行う。「so good」には2009年より寄稿し、日本のパティシエとその作品を紹介する。

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